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またまた時代劇を堪能 [映画]

映画「黒書院の六兵衛」原作 浅田次郎 

有料テレビでみた

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厳密に言うと映画ではなく「連続ドラマ」だそうだ 主演は吉川晃司・上地雄輔 主演たる吉川晃司は終始セリフなし 表情だけの演技である この役者というか歌手というか、この人は一体にどちらが本業かわからない しかし時代劇役者を演らせたら右にでるものは無いと勝手に思い込んでいる 

この作品は小説を良く踏襲している 数年前に小説を読ませていただいた、しかし小説の表現ではリアルに情景を想像できなかった、よって小説自体はそれ程感銘を受けなかった作品だ 

ただ、江戸城内の今は失われた仕来りや慣習が印象的だったので妙に記憶に残った作品だった




IMG_1788.jpgストーリーは江戸時代が正に終焉するその時を描いた最後の武士の物語 

「勝・西郷会談」で江戸城明渡しが決定 城明渡しに際しての城内混乱と最後の武士達の生き方を一人の武士を通して見つめるという内容 そして主人公「的矢六兵衛」の無言の抵抗なのか 「武士の魂」の具現化か なにしろ無言を貫くその行動は視聴者にも判然としない 

1話から6話まで続く物語は時代転換の一瞬を切り取ったものだ 

主題となっているのは 思うに「武士の覚悟・武士の魂」 亡びゆく武士の最後の意地が感じ取れる映画だった 

この作品で注目したのは主人公の行動よりもその仕草だ 一に食事を摂る時の作法は秀逸だ 

この食事作法が何流かは知らないが実に美しい 

端然として行儀よく箸の上げ下ろしまで美しい 

食べ方は人間の本能に帰着するので様々な食べ方があると思う、どれもが正しいが美しい食べ方は少ない 

二に城内での歩き方 貴人に拝謁する時は「膝行」というらしいが凛として美しい歩き方だ 

「ムーンウオーク」を膝でやるような歩き方

 

見惚れてしまう 


IMG_1718.jpg10年程前に「居合」を習った「居合腰」という刀を振る前の基本動作を学んだ時この膝歩きに近い腰使いで居合を止めた 

キツイのだ 

この「居合腰」1kgの木刀を使用する(真剣が1kgなので)この極太木刀を使って「居合腰」2000本の素振りをやった 1週間で居合を断念 

それ程つらい修行だった この膝行を会得するには同じくらい鍛錬が必要だろう 

全話鑑賞は6時間程かかるが実に興味深い作品だった 

江戸城内の奇態な風習 大奥が一日で崩壊する様 職を失い絶滅に向かう幕府武士 

薩摩長州軍人の成り上がり行為と行儀の悪さ

「ラストエンペラー」の中国清朝が崩壊する時と何故か重なる 

時代が変わる一瞬の表情がいい

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Plan75 [映画]

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暖かくなってきた今日この頃、あらためて老境に入ってきてこれからの人生やこれまでの人生を考えるようになりました。断捨離という言葉があります。作家五木寛之先生は安易に自分の持ち物を整理して身軽になる事を否定しています。断捨離等という言葉に惑わされて自らの歴史を無い物にすることを勧めていません。物には思い出があり、その物を通して自らの足跡を確認することが出来るとしています。この考え方にはっとしました。今まで脈絡のない物に囲まれて整理できない自分を恥じていました、いつか片付けよう、断捨離提唱者がいうようにさっぱりとした生活が待っていると思い込んでいました。でも五木先生の考え方に出会った時少し救われたような気がしました。
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さて、先日有料テレビで「Plan75」という映画を見ました。実にショッキングな映画で ありそうな話しを映画化したものだと感慨深く見ました。ストーリーは既にネット上でかなり詳しく紹介されていますので割愛します。ここでは印象的な部分だけ感じたことをお伝えします。
主人公(倍賞千恵子)やその友人の老いた姿はかなり写実的で、老いるとはこういう事と現実直視してしまいます。ここで既にこの映画に引き込まれているのでしょう。そして「Plan75」という国の政策を巡って主人公と他若い人2人のストーリー 3編が同時並行で進んでいきます。「Plan75」は75歳以上の老人は生死の選択をすることができ、死を選んだ時は国が補助をするという制度です。この法案が制度化されたのは深刻な少子高齢化により国が老人を養っていくことが出来なくてなった時代という社会背景を前提としています。「家・仕事・パートナー・家族」を高齢化により失った老人はこのplanを選択せざるを得ないのです。強制ではないのですが助かる道はありません。このplanを選択した人の遺物を整理する場面が度々出てきます、さながらアウシュビッツ収容所での収容者の遺物整理を彷彿とさせるシーンと重なってきます。最後まで絶望感は拭えません、最後の場面で主人公はこの施設から逃げ出し新たな希望を持って再出発するという設定になります。でもこの社会は人を救うことが出来るのか全く ? のまま映画はThe endします。近未来のさもありそうなこととザワついたモヤモヤ感が残ります。
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全て自己責任という現代社会の感覚は行き過ぎるとこういう社会になるのでしょう。
若い頃から死ぬまで税金を負担しながら社会から厄介者扱いされる老人
人生を通してこの国の歴史を担ってきた老人 
何か叫びたくたくなるような映画でした。
こんな制度が施行される前にしっかり人生楽しんでおこう!

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映画「散り椿] [映画]

P1190522.jpgヨーロッパの戦争が思いも寄らない現象を引き起こし始めました、全世界的な食料危機です。ウクライナ・ロシア共に小麦や肥料の主産地だそうで、今後小麦や農業生産物の世界的な争奪戦が始まるとのことです。

これはエライ事です!

日本も昭和20年代に深刻な食料危機になりましたが、記憶を持っている人はもう超高齢者です。ほとんどの国民が飢えを知りません。日本の食料自給率は30%台、これは70年代から指摘されていることです。100%自給出来ているのはコメだけだそうです。それでも天候不順になればタイ米を輸入したことがあるぐらいですから薄氷を踏むような状況だと思います。「パンや麺類が食べられないならコメを食べればいい」とテレビで言ってました!昔「貧乏人は麦を喰え」と言った政治家がいましたが、そんな時代がまた到来するのでしょうか?

P1190543.jpgさて、本題の方ですが時代劇「散り椿」 いい映画を見ました。この映画は主演岡田准一 原作葉室麟 監督木村大作 脇役に西島秀俊 黒木華 緒方直人 奥田瑛二 石橋蓮司他豪華俳優陣で固めています。この映画を見てすぐ感じるのは藤澤周平作品との比較です。全般的な雰囲気はよく似ていますが少し違うようです。内容は「4人の天才的な剣士と藩の城代家老との権力争いとこの4人の剣士の友情 そして主人公の妻の愛が引き起こす事件の顛末」うまく説明しきれないですが。

藤澤作品と肌合いが少し違うのは武士としての生き方への懊悩は少なく、枯れた感じがありません。注目すべきは全篇ロケで映像が美しいです、映像はリアルで緊張感があります。そして殺陣は岡田准一自ら考えたようです、殺陣は時代劇のキモですから この作品は実にリアルな斬り合いとなっています。主人公の斬り合い場面での構えがいいです、恐らく刀と刀の斬り合いはこのような形になっただろうと思われるような。岡田准一の構えは居合のように体勢を低くし、抜刀する場面でも抜き動作に緊張感が漲ります。斬撃は上中下 相手の動作に連動するように動きます。軽く刀を振っているような感じはなく斬りつけているのが見てとれます。時代劇の殺陣は面胴突き袈裟がお約束のように使われます。しかし一撃で絶命させることは至難だと思いますのでリアル感がありません。とあるシーンで主人公の妻の弟が斬り合いとなり一撃で相手の小手を撃ち、相手は小手を斬られて刀を地面に落とす場面があります。この時ありがちなのは両手首が落とされるシーンですがこの映画では両手首に傷が出来ただけです。これは小指下側の裏筋が斬られて刀を握れなくなった訳です。要は相手が戦闘能力を失えば良いのですから合理的です。筋肉のスジは常々思いますが斬り合いのキモですね。こんな所に戦いのリアル感を持たせた岡田准一の殺陣が見どころです。

IMG_1202.jpgストーリー的には少し残念なところもありましたが最近では良く出来た時代劇でした。

小指と薬指でタオルを掴んで両腕を後ろに回すと肩甲骨と腕が良く伸びます。両手でしっかりとタオルを掴むより動きがスムースです。

裏筋効果の実感です。

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映画 燃えよ剣 [映画]

001-5.jpg先日コロナで封切り順延されていた「燃えよ剣」がロードショーされました。待ちに待ったという感慨です。この作品は誰もが知っている土方歳三をラストサムライにした名作です。前にこのブログで「燃えよ剣」を取り上げていますが今回は映画「燃えよ剣」の感想です。

原作 司馬遼先生、今回は主演 岡田准一さんです。一体どんな土方になったのか?どんな演出になったのか?脚本は?と尽きない興味が湧いてきます。俳優岡田准一はBSで古武道番組のMCをしてます、古武道全般に造詣が深いので殺陣も注目でした。勢い気張って新宿ピカデリーへ見に行きました。この映画館では、遥か昔スターウォーズ第1作目やエクソシスト等を鑑賞した思い出深い映画館です。その頃とは随分と趣きが変わっていました。

001-3.jpgさて、映画の内容は小山が4回程あって大団円に向かっていきます。その中には土方の淡い恋等も挿入され厚みがもたらされていました。最初の山は「芹沢暗殺」次は「池田谷騒動」、次に「鳥羽伏見の戦い」そして「近藤との別れ」最後に「土方の死」 こういう構成です。総じて土方の生涯を駆け足で進むような形でした。感想としては少し残念でした!これでは2時間で収まりきらないというのが正直な感想です。

最初の多摩日野の情景や試衛館道場での様子や新選組の隊中日記も通り一編でいいのですが・・・・、原作では新選組が崩壊した後の土方の生き方に力点が置かれています。その辺のところ・・・土方が東北を転戦し五稜郭に行きつき、最後を迎える場面を膨らませて欲しかったです。土方が何故死を覚悟するのか?そして何故刀を捨てたのか?遠い故郷日野の実家に手紙を送る場面やそれを受け取った日野の縁者の様子等をもっと劇的に描いて欲しかったです。

箱館戦争では総大将榎本武揚は官軍に降伏して、その後維新政府の重要ポストについて行きます。その道を選択しなかった土方の心情を伝えて欲しかったです。

DSC07534.jpg古武道「天然理心流」を基本とした殺陣ですが、これは興味深ったです。天然理心流が何故実戦に強く、竹刀剣道に弱いのか 何となく理解できました。幕末の剣術流派で実戦に抜群の強みを見せたのはこの流派が筆頭です、次に薩摩示現流でしょうか。映画では400諸流と言ってましたが白刃勝負をしたのはこれらの流派が顕著です。

しかしあっという間の2時間でした。十分に楽しめた2時間でした。機会があればもう1回じっくりと見てみたいところです。

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蝉しぐれ 藤澤周平 [映画]

非常事態宣言が解除されて外遊びが出来るかなという淡い期待もどうも外れそうです。またじわじわと感染者数が増えてきました。それと変異ウイルスが増えています、友人の子供さんが感染したとか、チラホラ間近に迫ってきたかのような感がします。

DSC_9667.jpg藤澤周平先生の時代小説は大好きです、数々の作品が映像化されていて親しみやすいのもいいです。撮り溜めていたビデオから先日「蝉しぐれ」を改めて見ました。このビデオはNHK版の水野真紀・内野聖陽編です、両人ともかなり若くフレッシュな感じがいいです。この作品が感動的なのはサントラの音楽と映像のマッチングが良く、音楽とシーンが効果的なハーモニーを奏でています。大体に音楽の美しい映画は心によく残ります。若い頃の映画を良く憶えているのは爺になった証拠ですが、まだ学生時代に見た「卒業」[ゴッドファーザー」「白い恋人たち」は映画音楽の名作として残っています。

DSC_9678.jpgさて、この純愛映画は武士の生きずらい世界と秘剣が主役になっています。そして必ず登場する海坂藩とその美しい四季が見どころです。重畳と連なる山々と五間川、日本海の寒そうな海はここで起こる人間模様を引き立てます。かなり前ですがこの地を訪ねたことがあります。場所の設定は架空の藩になっていますが比定地は山形県鶴岡市とほぼ確定しています、また撮影セットが置かれているのもこの鶴岡です。撮影地にも行ってきました、ドラマの中で若き文四郎とお福が川の淵で蛇に噛まれたシーンの撮影地が残されていました。模型のような家が建ち並びその外れに川と洗濯場の設定がありました。鶴岡はいい所です、古い家並と明治期の西洋建築物が残され出羽三山への入口にもなっています。鶴岡へは新潟を経由して日本海を北上する経路と福島から山形を経て月山越えをするルートがあります。新潟経由の方が比較的難所が少ないと思います、月山越えは結構厳しいです、山形までは東北新幹線で行けますがその先はバス便で月山越えです。山形から2時間ぐらいかかるかと思います。この道は結構神秘的です、途中月山と湯殿山、羽黒山の間近を通りますので。そのような秘境を越えた先にほのぼのと明るい街があるのです。出羽三山については本当に秘境であると共に修験道の聖地としての赴きが強く感じられる山々で、未だに女人禁制かと思わせる程です。今は解放されていますが、それでも全面解除は23年前からだそうです。

DSC_9689.jpg秘剣の方ですが、こちらも面白い設定です。蝉しぐれの秘剣は「村雨」、左掌を扇のように広げ相手にかざして、右手は刀を肩に担ぎます、相手からは担いだ刀の刀身は見えません。この形で相手に迫ります、相手が間を詰められて打って出て来たところを舞のように体を捌いて相手の後ろに回り込み、相手が振り返って正対したところで袈裟斬りにする秘剣です。

このような事が上手く行くかはわかりませんが体の捌きによって相手の後ろに回り込むのはアリですね。古武道の斜に体を捌く動きは合気道・柔術・居合でも形に普通にあるようです。剣道でも相手の面を斜に捌いて振返り様に面を打つ難度の高い技は高段者の先生がよくする技です。相手が打って来た時横に体を捌くのは未熟者のようで、寧ろ相手の打ちを迎えに行き、すんでに体を捌いて相手に空を打たせて打ち取る技です。良く分析するとやはり秘剣としてはアリのような技ですね。

結構長い3部作でしたが満足感の高い涙の感動物語でした。

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映画Kingdomを見て2 馬鹿の故事 [映画]

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目黒自然教育園

秦の始皇帝について再度「史記」を読み直しました。面白いエピソードが語られていました。

「馬鹿」の故事です。馬鹿の謂れは幾つかあるようですが紀元前の記録はこれが最古と思われます。この言葉はこの21世紀の日本で普通に使われています。それも日本中で使用されている慣用句です。

さて、その故事とは始皇帝が全国巡察の旅に出ます、随行した子供は末子「胡亥」一人です。しかし巡行中始皇帝が病気で亡くなります。この時遺言書が残されます、遺言書には皇太子を帝位につけるよう書かれていましたが文書作成係の「趙高」が耳打ちし、このことは誰一人知る者はいないので遺言書を偽造して胡亥が皇帝になるよう仕向けます。大臣の李斯も引き込んで納得させ、これにより秘密を知るのは3人だけとなり共謀して事を進めます。結果皇太子扶蘇を自決に追い込みます。この時扶蘇は北辺に30万の大軍で大将軍蒙恬と出兵中でした、蒙恬も罪に問われ自殺を強要されます。結果3人の企みは順調に進み趙高は大臣にまで昇進します。この頃から恐怖政治が蔓延し趙高の独断政治となります。

この時扶蘇が自殺せず蒙恬と共に30万の軍で都に上れば歴史は変わったかもしれません。


ある時趙高は皇帝の前に珍しい鹿を披露します、しかし誰が見てもそれは馬でした。並み居る百官は皆 鹿だとおもねります。これには皇帝は自ら気が触れたと思うほど動転し「あれは馬ではないか」と大声を上げます、皆がそれを鹿というので認めざるを得なかった・・・これが馬鹿の故事です。この時何人かは馬だと言った者がいたようですがこの人達は皆斬首されたようです。


趙高が何故このような事をしたかは どれだけ百官が自分に忠誠心があるかを知りたかったからでした。

この後2世皇帝は趙高に殺されます、趙高は帝位簒奪を試み玉璽を佩びますが百官が従わなかったので皇太子扶蘇の子に3世を名乗らせます。3世は趙高を成敗しますが時既に遅く劉邦が首都を陥落させ捕らわれます。遅れて到着した項羽により処刑されて秦は滅亡します。秘密を知るもう一人の人物 大臣の李斯はとうに2世によって一族皆殺しにされていたのです。


こうして見ると始皇帝の統治が因果応報なのです。


秦という国は古い歴史のある国で穆公から始皇帝までの王は20余代を数えるといいます、統治が悪ければとうに滅んでいたはずです。

思うにはまず馬鹿の1番は胡亥、2番は李斯、3番が趙高なのでしょう。

史記における2世の評価です、

以下本文引用 『姿形は人間で顔もあるが、その言葉は全く善悪を弁ぜず、あたかも畜類の鳴き声のようであった。力だけをたのまなければ討伐もされず、悪逆を重ねなければ虚しく亡びることもなかったであろうに。中略 小人というものは己に相応しくない貴位につくと、うっとりとしまって守るべき本分を忘れ、ただ日々の安楽のみ偸まぬものはない』(中国古典文学大系 史記上・中・下 平凡社刊)


2世が政治をすると国が滅亡する話しでした・・・・どこぞの国も2世ばかりが政治しています。


馬鹿についてでした。




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Kingdomを見て [映画]

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先日この映画をTVで見ました、内容が「秦の始皇帝」に関係する物語という事は前々からコミックで知っていました。
来年に向けてパート2が製作されていることもついでに知りました。ほぼ同時期に「墨攻」も放映されていました。
内容についてはフィクションであろうことは推測できます。
ただ史記に描かれている始皇帝像と随分違うなという違和感からの雑感です。
始皇帝は500年以上続いた春秋戦国時代を終焉させ、中国を統一し中央集権国家を打ち立てた英雄です。しかしその期間は短く一世限りの王朝となってしまいました。2世、3世もいたのですが国家がバラバラになり項羽と劉邦によって亡ぼされ滅亡しました。始皇帝の功績は中国統一と平和な時代を到来させた と言えますが王としての後世の評価は高くありません。
この時代は紀元前240年ぐらいの話しですので資料は「史記」になるのでしょうか?史記と春秋左氏伝は平凡社の中国古典文学大系で読みました。「春秋左氏伝」は周が滅亡後、列強が覇を唱えて群雄割拠した時代を綴っていった王朝史です、期間は紀元前770年から紀元前468年の300年間の記録です。史記は漢の時代「司馬遷」が著述した王朝・人物・中国先史時代に分けて書いた興亡史です。したがって後代に書かれたものです。春秋は史官が綴る王朝録というところですね。春秋の読後感は面白くない事象の羅列でよく読まないと眠くなるのが早いです。
少し解ったことは、周という統一王朝は江戸幕府のような体制で殷を亡ぼした後勲功のあった部将や身内を諸侯に封じたのです。そして周本国の近隣には身内を置き、功績のあった部将達は外縁部に配置されました。それから300年後ぐらいに周本国が東周と西周に分裂します、これが紀元前770年。ここから春秋時代となります、紀元前400年ぐらいに晋が3国に分裂します。韓・趙・魏という国家ができます。ここから戦国時代となります、7ヵ国による興亡が始まり終止符を打ったのが秦で500年に亘る戦乱が終息した というのが大まかな流れです。この長い期間には小国の分立やら滅亡やらが繰り返されますが詳細はウィキペディア等を参照下さい。
ちょっと大きなテーマに挑み過ぎました、とても長くなるのでヤメます。
思う事は以下3点です。
★改めてもう一度勉強しようという気持ちが沸き起こりました。
★映画では信と政の友情を軸にした統一国家樹立とその動機が平和願望というのはちょっと無理筋かな。
★資料が少なく想像力で補う場面が多い時代なので難しかったろうなと率直に思いました。
始皇帝は統一後暴君となり、焚書坑儒(虐殺行為)や不老長寿の薬の探索で数千人の童子・童女を連れた探査を指示したり(日本における徐福伝説)と 王としての評価は今一です。
史記ではこう表現されています。秦王政(始皇帝)の風貌を「鼻は蜂準(高く尖っている)、眼は切れ長、胸は鳥膺(鷹のように突き出ている)、そして声は豺(やまいぬ)のようだ」
とりとめのない雑感でした。


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