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コロナで読書 世界の名作文学 [本]

DSC_9372.jpgコロナが連日、記録を更新しています。こんな時は我々年配者は家で読書 これしかないですね。新しく本を買ってもいいのですがここは家にある蔵書を読破すべきと新規購入は控えています。先日新聞にこんな記事がありました、ある病室で1人の患者さんが「カラマーゾフの兄弟」を読破したそうですが、何と数ヶ月の内にその病室の患者さん全員がこの小説を読破したそうです。これは凄いことです、この小説の挫折率は相当高いと言われてまして、2巻目に入る頃にはほとんどの人が挫折するそうです。この小説には縁がありませんでしたが、この記事で読みたい衝動が起こりました。


DSC_9384.jpg今回挑戦しているのはバルザック「ウジェニーグランデ」です。この小説はだいぶ前にブックオフで買った「谷間の百合」に収められている一編です。因みに100円で買いました、正式には「河出書房 世界文学全集巻4 谷間の百合」です。この本が100円とは嬉しい限りでした。作家バルザック(1799年5月20日 - 1850年8月18日)は、19世紀フランスを代表する小説家です。バルザックの作品は100篇を数えると言われ、日本では河出書房から全集が刊行されていますが全作品を読むことは出来ないようです。「谷間の百合」についてはネット上に紹介されていますので割愛しますが、「谷間の百合」はストーリーよりもその文章表現に感動し、まるで詩集をよんでるような錯覚に陥ります。美しい物語だと思います。


さて、「ウジェニーグランデ」はグランデ家夫妻とその一人娘ウジェニーの物語です。グランデ父さんは吝嗇で欲深な農園主であり投資家、母親はウジェニーの成長だけに心血を注ぐ病弱な女性、ウジェニーはそんな両親に育てられたお嬢様という設定です。莫大な財産を残して両親が病没し可憐なるウジェニーは孤独になります、秘かに愛する従弟シャルルの帰りを7年間純愛を持って待ち続けます。シャルルは父親の破産によって無一文となりグランデ夫妻に預けられますがグランデ父さんは追い出します。シャルルはウジェニーから借りた金貨を元手に貿易商となり、インドやアフリカで奴隷売買をして莫大な財産を形成します。ウジェニーの元を立って7年目、パリ社交界に戻るべく借金まみれの侯爵家令嬢と結婚することで爵位を獲得して社交界デビューを目指します。DSC_9397.jpg

このストーリーは「人間喜劇」と呼ばれるバルザックのメインテーマに沿って進みます。この人間関係やシチュエーションはバルザックの数々の作品に再登場してくるというバルザックワールドが展開されます。守銭奴グランデ父さんの生き様と人間関係は当時のフランス社会をき生きと描写しています。

古い小説ですが19世紀フランス文学を堪能する良き一篇でした。


「赤と黒」スタンダール 1830年、「ウジェニー・グランデ」バルザック 1833年、「ボヴァリー夫人」フローベール 1857年、この3作を持って19世紀フランス文学の代表作としています。


因みにドストエフスキーはこの作品の訳者でした。


暇つぶしにはうってつけです。

本を読むことは眠気との闘いだー!

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