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Kingdomを見て [映画]

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先日この映画をTVで見ました、内容が「秦の始皇帝」に関係する物語という事は前々からコミックで知っていました。
来年に向けてパート2が製作されていることもついでに知りました。ほぼ同時期に「墨攻」も放映されていました。
内容についてはフィクションであろうことは推測できます。
ただ史記に描かれている始皇帝像と随分違うなという違和感からの雑感です。
始皇帝は500年以上続いた春秋戦国時代を終焉させ、中国を統一し中央集権国家を打ち立てた英雄です。しかしその期間は短く一世限りの王朝となってしまいました。2世、3世もいたのですが国家がバラバラになり項羽と劉邦によって亡ぼされ滅亡しました。始皇帝の功績は中国統一と平和な時代を到来させた と言えますが王としての後世の評価は高くありません。
この時代は紀元前240年ぐらいの話しですので資料は「史記」になるのでしょうか?史記と春秋左氏伝は平凡社の中国古典文学大系で読みました。「春秋左氏伝」は周が滅亡後、列強が覇を唱えて群雄割拠した時代を綴っていった王朝史です、期間は紀元前770年から紀元前468年の300年間の記録です。史記は漢の時代「司馬遷」が著述した王朝・人物・中国先史時代に分けて書いた興亡史です。したがって後代に書かれたものです。春秋は史官が綴る王朝録というところですね。春秋の読後感は面白くない事象の羅列でよく読まないと眠くなるのが早いです。
少し解ったことは、周という統一王朝は江戸幕府のような体制で殷を亡ぼした後勲功のあった部将や身内を諸侯に封じたのです。そして周本国の近隣には身内を置き、功績のあった部将達は外縁部に配置されました。それから300年後ぐらいに周本国が東周と西周に分裂します、これが紀元前770年。ここから春秋時代となります、紀元前400年ぐらいに晋が3国に分裂します。韓・趙・魏という国家ができます。ここから戦国時代となります、7ヵ国による興亡が始まり終止符を打ったのが秦で500年に亘る戦乱が終息した というのが大まかな流れです。この長い期間には小国の分立やら滅亡やらが繰り返されますが詳細はウィキペディア等を参照下さい。
ちょっと大きなテーマに挑み過ぎました、とても長くなるのでヤメます。
思う事は以下3点です。
★改めてもう一度勉強しようという気持ちが沸き起こりました。
★映画では信と政の友情を軸にした統一国家樹立とその動機が平和願望というのはちょっと無理筋かな。
★資料が少なく想像力で補う場面が多い時代なので難しかったろうなと率直に思いました。
始皇帝は統一後暴君となり、焚書坑儒(虐殺行為)や不老長寿の薬の探索で数千人の童子・童女を連れた探査を指示したり(日本における徐福伝説)と 王としての評価は今一です。
史記ではこう表現されています。秦王政(始皇帝)の風貌を「鼻は蜂準(高く尖っている)、眼は切れ長、胸は鳥膺(鷹のように突き出ている)、そして声は豺(やまいぬ)のようだ」
とりとめのない雑感でした。


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